パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



カッソピーパ Cassopipa :: 2014/06/20(Fri)

ヴェネツィアの土地料理にカッソピーパというものがある。正確には、ヴェネツィアの、というより、ヴェネツィア本島ラグーナ沿いの南に位置するキオッジャの料理だ。

キオッジャは、アドリア海沿岸屈指の漁港の街。市民向けの魚市場が毎朝たち、別地には業者向けの卸市場も存在する。

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街はヴェネツィアのような風景がありながら、漁港の街ならではの喧騒的なムード。街行く人々もなんとなく騒々しい感もするが、これまた独特の風景。話す言葉もヴェネツィアの訛りとはさらに違ったものすごい訛りがある。キオッジャの人のことを“キオジョット”と呼び、また別の人格が存在する、というわけだ。

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そして、料理も然り。クチーナ・キオジョッタの代表格。

さて、同料理は、タマネギの産地としても有名なキオッジャのタマネギをたっぷりと入れた貝の煮込みのことをいう。

キオッジャの市場には貝専門業者もあって、貝をたっぷり使うヴェネツィアの土地料理も垣間見れるところ。

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さて、料理名の”カッソ”とは、この料理に使うテラコッタの長時間用の煮込み鍋のことを指すキオッジャの言葉。この鍋のなかに獲れたての魚介をぶちこんで弱火にかけて仕上げる。この際に鍋から湯気がパイプの煙を燻らすような状態を保つのが必須。この煙の立ち方をピパーレ(=パイプの煙を燻らすこと)ということから、同料理名がある。

使われるのは、ラグーナで獲れる貝類、ボンゴレ(アサリ)、コッツェ(ムール)、ガルツォリ(巻き貝みたいな)、カッパ・ルンガ(マテ貝)等々。市場で手に入る貝を何でも使うことができるのだが、種類が多ければ多いほど美味しくなる。
調理開始時は貝の持つ水分が鍋にいっぱいだが、蓋をあけたままピパーレするように火を入れ、最終的には貝の旨みが凝縮したようなスープになる。

味の決め手は、ヴェネツィアならではのスパイスをたっぷりと聞かせて、クローブ、シナモン、ナツメグ、ローリエ、タイム等々。

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この日は、イカやタコも入っているので、全体的にはタコの色がついて赤く仕上がっている。つまりはこれは漁師の料理にて、獲れた魚介を鍋で煮込みっぱなしの料理なので、入れる素材に決まりは、もちろん、ない。

それにしても、新鮮な魚介をこんなに煮込んでしまって、南の人に見つかったら怒られそうな調理法だ…

通常、このままいただいてもよいのだが、カッソピーパのお決まりは、太いスパゲティ状の地元のパスタ、ビーゴリを合わせて。

ビゴリ・イン・カッソピーパBigoli in Cassopipa のできあがり。

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※mihokoさん、moitza、写真をなくしてしまった私への温かいご協力、ありがとうございます。



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