パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ポレンタを調理する秘訣は…“しとしと雨” :: 2014/11/13(Thu)

私の住むヴェネト州は、ポレントーネ(polentone=ポレンタ喰い)の生息地域。

ポレントーネと呼ばれる地域は、ヴェネト州を始め、ピエモンテ州、ロンヴァルディア州にまたがるが、20世紀以前、この地区の食糧の主なベースはポレンタ、つまりは乾燥させたトウモロコシの粉を挽いて、重粥状に仕上げていくものだった。

土地の性質上、小麦粉生産よりもトウモロコシ生産が盛んであり、逆にそれを食べるしか腹を満たすものがなかったから、ということで、典型的なクチーナ・ポーヴェラ(貧しい料理)のひとつに挙げられる。

トウモロコシに関しては、各地様々に地産種あり、その種類、そして挽き方等を挙げるとどれくらいの種類のものが出回っているのか…。
解り兼ねるところではあるが、とにもかくにも、該当地域には、食材売り場には豊富なポレンタの種類があり、料理店で料理を頼めば必ずと言っていいほどお皿の上にはポレンタが、そして家庭でも頻繁に登場するもの。

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地元の料理をつくれば、ポレンタを添えなければなんだか物足りぬ、なにか忘れ物をしてしまった感がつきまとう。大げさではなくてそんな感覚になるほど、重要な素材のひとつだ。

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最近では、スーパーなんかに行くと、もうできあがったポレンタの袋詰めやら、インスタントポレンタなどが売られていて、短時間で仕上げる、または温めるだけ、なんていう代物もある。

が、実際に美味しいポレンタを味わうには、やはりそれなりの手間と時間をかけて調理する必要があるのだ。逆にいうと、手間と時間がかかるからこそ、出来合い品やらインスタントが出回るのだろうが。

さてさて、ポレンタを調理するには、まず大切なのは、伝導率のよい鍋。ベストは銅鍋。調理に40-50分を要するため、ゆっくりと柔らかい火を入れていくのが重要。

鍋に湯を沸騰させる。塩はここで加える。味つけは塩のみなので、ここで塩加減は決めている必要あり。

湯が沸いたらポレンタを片手に、もう片手には、泡立て器。

泡立て器でよくかき混ぜながら、ポレンタを投入。この際にポレンタ調理攻略としてのキーポイント、キーワード。

それが、“A pioggia(ア・ピオッジャ)”。

ピオッジャは雨という意味なので、つまりは“雨を降らせるように”入れること。それも“どしゃ降り”ではならない。“しとしと雨”ぐらいが良い。

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袋から直接、または手で少しずつ加えていく。

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なぜならば、この投入時にダマをつくらせないため。ここでダマになると最後までそれが残り、滑らかな仕上がりにはならないから。

サラサラと粉を入れ、同時に泡立て器でよくかき混ぜる。粉と水が一体となったら、後は火加減を調節し、時間に任せるのみ、だ。

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調理中は表面にボコッボコッと火山の噴火みたいに(見たことはないが)常に動きがあるように火加減を調節。

調理時間は40-50分と前述したが、この間は常に混ぜている必要はなし。
鍋底にくっついても、慌てずに大丈夫。鍋底及び鍋肌にくっついて、一枚膜ができるくらいのほうが、ポレンタにあたる火が柔らかくてよいのだ。

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なので、たま~に世話をしてあげるくらいでok。ポレンタ投入時に使った泡立て器はその時のみでお役御免にて、その後は勿論木べらに持ちかえる。

途中、固さが柔らかすぎれば早めの段階で加えてもいいが、基本は投入時にポレンタ粉の量は決定しておくべき。火の通りが遅れてしまうので。

仕上がりの固さは好みによる。私は個人的には柔らかく仕上げるのが好きだが、通常は、切り分けられるくらいの固さに仕上げるほうが多い。

柔らかく、とは、こんな状態。

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できあがったらボウル状の器に入れてある程度固め、木のまな板の上にそのまま返す。半球状がまな板の上にできる。
または鍋から直接、木の板の上にひっくり返す。

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それを切り分けていただく。

余ったものは、切り分けて、グリルやオーブンで温めなおし、次なる食卓へ。

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そうそう、鍋からポレンタをあけた後に残った鍋にはりついたお焦げは、ナイフでこそげ落としておせんべいみたいにして食べる。お行儀はあまりよろしくない行為だが、これがまた美味し。

これをつくるためにも、“混ぜすぎ”は禁物なのだ。


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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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