パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ヴィアノーネ・ナーノ・ヴェロネーゼ米 Riso Vialone Nano Veronese :: 2016/02/10(Wed)

ヴェネト州の南側は、パダーナ平原を有する雄大な平原地帯が広がる。ヴェローナ県南部、ロンバルディア州マントヴァ近郊付近との境界を有する地域は、広大な田園風景の広がる米作地帯として知られている。

イーゾラ・デッラ・スカーラ(Isola della Scala)を代表とする、この土地の銘柄が、ヴィアノーネナーノ種だ。
地域呼称である、I.G.P (Indicazione Geografica Protetta)の認証も受けるこの品種は、イタリア国内でも、その90%がこの地域内で生産される、非常に地域性の強い産物。

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この産地呼称の認証をうけるためには、様々な規定をクリアしていなければならないのだが、大きくわかりやすい特徴の最たるものが、この土地の清水。地中から自然に湧き出る湧き水を利用した水稲栽培にて、土地ならではの産物が生まれる。

ここは、この土地で何十軒もある米生産業者のなかで、最も有名といわれるFerron社。ここにも、澄んだ水の水源がある。年間を通じて水温は12℃ほど。自然の偉大なる恵み。

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そして、この土地の米つくりに必要なのは、鯉。鯉が放し飼いされており、水中に住み、稲に被害を与える害虫などを食べる。チョウザメも同様に飼われていて、鯉と同様な働きをする。
1シーズンが終わると魚はリゾットの具材になるそうだ。

さて、このFerron社では、昔ながら、1600年代から続く脱穀現場を見学者に解放している。直径7.5mにもなる水車の力を原動力とした作業小屋。

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こちらは木槌にての脱穀機。同社の即売所には、他には出回ることのない、この木槌脱穀の米を購入することができる。

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そして、見学の後は、同社のお抱えシェフによる、リゾットの試食件昼食。

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素敵な解放的なキッチンにて、3種のリゾットを食べさせてくれる。最初の2種は季節によって。この日は、赤カブのリゾットにゴルゴンゾーラのソースを添えたものと、

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かぼちゃのリゾット。仕上げにアマローネの濃縮したものを風味づけに。

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そうそう。リゾット用につくられた、フォークのようなスプーンのような…リゾットがとても食べやすい。

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そして、3種めは、この土地の名物リゾットであるリゾット・デッリゾラーナRisotto dell’Isolanaだ。いわゆる、イーゾラ風リゾット。土地の名をつけたリゾットだ。
子牛と豚のミンチ肉を野菜とローズマリーと一緒にしっかり炒めたものを具材とする。

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ここで大切なのは、米の調理方法。通常、リゾットは、米を炒めて熱いブロード(だし)を少しづつ加えて仕上げていく。しかし、ここでは、ブロードは、はじめに一気に加える。おまけに調理中は蓋を閉めたまま。日本の米を炊くような感覚だ。

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米に火が入った頃合いを見はかり、予め火の入っている具材を投入。火からおろしてバターとおろしたグラーナを加えて丁寧にマンテカート(攪拌)する。これで、仕上がり。

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この土地でのリゾットというと、このイーゾラ風リゾットでなくとも、全てがこの方法で米に火を入れていく。とても個性的だ。

その昔、米の作業場で作業員たちがお昼の準備に米を調理する際、作業に忙しく鍋の前で構っていることなどできずに、放っておいてもできるリゾットの方法をとったことから、この調理法があるという。

ヴィアノーネ・ナーノ種の特徴はアミロース度が低いこと。従ってクリーミーな仕上がりのリゾットができる。粘りが強め、ということだ。カルナローリ種のアミロースが24%であるとすると、ヴィアローネ・ナーノは21%。ちなみに日本米のコシヒカリでは、16%という。

ここヴェネトに住んで、以前からこの品種を贔屓にはしていたが、ここを訪れて、もはやすっかり贔屓というよりも虜に近くなった。
平原を広大に広がる田園に苗が植えられ、水が張られた時期に、必ず再訪したい。

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