パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



リゾット・アッラ・ピロータ(Risotto alla Pilota) :: 2016/07/15(Fri)

ヴェネトの南側からロンバルディアにかけてはイタリアでも有数の米の産地として知られている場所だ。
ヴェネトでは、ヴェローナの南側からロンバルディア州マントヴァにかけての一帯を指し、ここでは、ヴィアノーネ・ナーノ(Vialone Nano)種が土地の産物とされており、これを使った米料理が存在する。

それが、リゾット・アッラ・ピロータ。この土地独特の作り方に、その名の由来がある。

まず…使う具材としては、有名なものは、タスタサール(tastasal)。これは、サルシッチャの中身、いわゆる豚のミンチした肉に胡椒などの香辛料を加えられたもの。ただし、今回はサルシッチャを中身だけ使用。

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そして、淡水魚のナマズやスズキ、コイなど。(写真が少々グロテスクでゴメンナサイ)

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これらの魚は田んぼに放し飼いにされ、稲の茎につく害虫などを食べてくれるもの。ちなみに、ヴィアノーネ・ナーノIGPと冠されるものは、これらの魚のいる田んぼであることが義務づけられている。
そして、彼らはその仕事を終えると、リゾットの具材へ…なんだか可哀想な気もするが、全てを無駄にすることなく有り難く頂戴しなければならない。

アッラ・ピロータとして、他のリゾットとの大きな違いは米の火の入れ方。通常、リゾットは熱いスープを米を炒めた鍋のなかに少しづつ注いで仕上げていくものなの。ここでは、米とスープを一気に鍋に入れ、蓋を閉めたまま米を炊き上げる。日本の米の炊き方に似ている。

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具材となるものは、別鍋でしっかりと調味まで仕上げておき、炊き上がりに米に加える。

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仕上がりは、米と米が完全に別々、パラパラな状態になっていて、まるでピラフのようになる。

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これが、アッラ・ピロータ、つまりピロータ風。ピロータとは、イタリア語では普通、パイロットのことを示す言葉だが、ここでは、米の脱穀・精米の現場で働く人々を指している。料理名にこの名がついたのは、彼らが作業中にお昼の準備のために作っていたものだったから。

忙しい作業中に鍋に入れっぱなし、放りっぱなしで食事をつくる、いかにも農民らしい料理。そしてしっかりと肉や脂身の多い川魚を利用するため、エネルギー補給にもなる。プリモとセコンドが一緒に食べられる、いわゆる、ピアット・ウニコだ。

さらにはヴェネトでは、リゾットの仕上がりの目安をアッラ・オンダ(all’onda)=波が立つように、と表現し、水分が多いながらに皿に盛ったリゾットが波のように形ができることが理想的とされる。ここでは全くの別物。

こうだからこそ、これは冷めてもまた美味しくいただける。土地が変われば…という、イタリア郷土料理の典型みたいな一皿。



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