パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



パドヴァの土着ワイン、フリウラーロ @Dominio di Bagnoli :: 2016/11/07(Mon)

パドヴァの南側、ロヴィーゴ県との境にあるバニョーリ・ディ・ソープラ(Bagnoli di Sopra)という地に、パドヴァの古い土着品種であるフリウラーロ(friuralo)というワインを造るカンティーナ、ドミーニオ・ディ・バニョーリ(Dominio di Bagnoli)がある。パドヴァの土着とはいえ、ここが唯一の生産者。

小さな街なので、このカンティーナ自体が街のシンボルにもなる。街に到着するとまず目に飛び込んでいくるのは、同カンティーナを内に有する古い壁。

というのも、カンティーナのある建物は17世紀に建てられた貴族の邸宅でもあるから。そして、壁で囲まれた大きな敷地内には、住居用邸宅、教会なども造られ、そこに広大な農作地も保有していた。所有者はヴェネツィア共和国の貴族であるロドヴィーコ・ウィッドマン。

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その後、ミラノのボルレッティ(Borletti)という、ミシンの会社で有名なファミリーがここを所有、この当時に大きな会社となり、所有地は2000haにもなったという。

現在の現カンティーナの土地は600ha。ブドウの他、ポレンタ用のトウモロコシ、米、牛の飼育などもされている。

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そして、ここで生産されるフリウラーロ(Friuralo)という、貴重なパドヴァの土着品種は彼らが唯一の生産者。

フリウラーロという名前は、フレッド(=寒い)という言葉の訛りからくるもの。寒くなってからヴェンデンミア(ブドウ収穫)が行われることを指している。なんとサン・マルティーノの日(11月14日)が過ぎてから行われるヴェンデンミアだ。イタリア国内でも最も遅いと言われる収穫だ。

それが可能なのも、同品種のブドウの性質によるもの。皮が硬くて厚みのあることから、果肉がゆっくりと熟成していく。
この土着品種を生産とともに保存していくためには、彼らはワイン生産業としての役割だけではなく、品種保存のためにパドヴァ大学と連携し、共同研究もされている。

それは、畑での栽培にも見てわかる。ブドウの木の仕立ては、ここヴェネトでは、グイヨー方式(シングル・ダブルとも)が中心だが、昔からこの地で行われてきた仕立て法も健在。

こちらは、ティレットといい、大きな木の幹を中心に何本かのブドウの木をそこに絡ませるようにしている。その昔は幹に沿わせることで、ブドウの枝を上に上にと自然に伸ばすためと、使用する土地を効率良く利用する目的があったという。

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一本の木に沿うようにブドウの木を植栽した例。木と枝が絡まりあって、なんだか生命力を感じさせる。

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いよいよカンティーナ内へ。150年級の樽は現在は使われていないが、バリック内には、数年をかけてゆっくり熟成している赤ワインが静かに眠る。

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土着のフリウラーロは、何年かにも渡る経験から、500l樽内にて熟成。醸造家の話を聞いていると、毎年毎年何らかの試みをしながら常によりよい物造りを探求していることがよく伺えるもの。

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デグルタツィオーネ(試飲)は、フリウラーロのスプマンテからスタート。

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瓶内発酵させるクラッシック製法によるもの。

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非常にドライで風味のよい、デリケートな継続性のある泡のスプマンテ。

そして、フリウラーロ2013年。

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続いて2008年。これは、収穫を非常に遅い時期まで待ったもの。

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この種のブドウは寒い時期までしっかりと木で果実を熟成させることで、さらに醸造後の熟成の長時間に耐える、いや、長期間になるほど味わいがしっかりと、その個性がより強くなるものだとか。
深〜い赤ベリーの香りやら、トースト臭やらスパイス臭やら、非常に複雑に絡み合う味わい深いもの。

実は数年前にも訪れた同カンティーナ。しばらくご無沙汰していたでけれど、パドヴァの土着として、個人的に再注目すべきカンティーナだ、と再認識。

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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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