ノッチョーラ(ヘーゼツナッツ)の産地を訪問する機会に恵まれた。行った先は、産地呼称I.G.P.が冠されるピエモンテのランゲ地方、クーネオ県の近辺だ。
この地域で生産されるヘーゼツナッツは、トンダ・ジェンティーレ (Tonda Gentile) という品種で、I.G.P.に指定される品種もこの一種のみ、とされている。
同種の特徴は、非常に硬い殻に覆われた身はぎっしりと密。全体の40-50%が身の重量とされている。
この地でヘーゼルナッツの使用用途とすると、多く使われるのは、お菓子であるが、この地域の質の良さは世界一ともされ、その希少価値は誰もが認めるところだ。
この地でヘーゼツナッツの生産が盛んになったのは、19世紀に入ってからのこと。この植物とこの地域の気候との相性がよく、質のよいものが栽培されることなったのと、お菓子製造がこの時期に大きく発展・進展したこととが重なる。
ピエモンテの有名お菓子(チョコレート)メーカーなどの考案したヘーゼルナッツのクリームの入ったチョコレート《ジャンドゥイイオット》などの功績もかなりあるのだろう。
この生産地区に入ると、見渡す限りにヘーゼツナッツの木々。整然と並んだそれらの合間には、まだ植樹したばかりの若いものも多く見かけられる。
WIFIも繋がらないような山々を登ったり下ったりしていくつの農家を回って、いろいろな話を伺う。土について、肥料について、剪定について、品種について…
ちょうど収穫の終了したばかりの時期で、どこの農家の庭先にも、山に積まれたヘーゼルナッツが。
作業場では、焙煎や殻剥き、選別、袋詰め…と黙々と作業が続いてもいる。今年は夏に雨が異常に少なかったことから、例年にないほど身が乾燥しているのだとか。殻をむいても剥ききれずに薄皮が残ってしまうのは、珍しい現象だともいう。
作業場内は、香ばしい香りでいっぱい。こんなにモリモリヘーゼツナッツを食べたことはない!というくらいの量を…まるで柿の種を食べるかのように…食べさせてもらい、何箇所かで食べているうちにやはりそれらにも質の違いなどが分かるように(なった気がする)。
普段とはちょっと違う風景と、生産物をみて、なんだかまた興奮ぎみにヴェネトへ戻る。
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