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パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



継承語を学ぶこと :: 2019/06/12(Wed)

私の娘は現在11歳、数ヶ月で12歳を迎える。中学校一年生を今月で終了した。もう私のイタリア語力はとうに越しているので、宿題を手伝ってあげることもままならない状況ではあるが、どうにか毎日元気で学校に通い、友達もたくさんいて、楽しそうな毎日を過ごしている。なんとなく思春期も迎えつつある年頃にて、少々気難しくなってきたなぁ…とも感じているが、それも仕方がないのだと思う。

母親を日本人に持つ、という、ここでは一種の特異な環境にあり、学校では英語とフランス語を学び、そこに日本語も、となるとなかなかと大変。学校の宿題、学校終了後の午後の習い事、と毎日を多忙に過ごしているため、幼いときにはそれなりに継続していた日本語の勉強も、これは私の責任もあるが、少々なおざりになりつつある。

とはいえ、どうにか日本語のベースだけは保っていってほしい、と願う気持ちから、家庭での日本語での会話を無理やりに続行しつつ(もちろん私と娘間のみ)、月に一回の定期開催にて行われる同様な環境にいるヴェネトの子供達を対象とした「どんぐりの会」という自主サークルには、特別なことがない限りは出席するよう心がけている。

同サークルは、ヴェネト州内、パドヴァ、ヴェネツィア、ヴィツェンツァ、トレヴィーゾ、ヴェローナ県に住む、乳幼児から小学校に通う年齢の子供のいる家族が会員となり、現在は約30家族の会員により構成され、ミラノ領事館から日本の小学校の教科書を学年に応じて随時配布いただいている。

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当然のことながら、我が娘の日本語レベルは同年代の日本人の子供には到底おいついていない。とはいえ、そこにはあまり固執しておらず、楽しく日本語の環境に身を置くことを主眼としている。これは私のサボりからくる考えなので、正しくはないのだろう。とはいえ、本人の意識を保つためには、非常に良い機会と信じているがゆえ、会の運営にも積極的に参加するよう心がけてはいるのだが…。

6月の同会の開催は、夏休みに入ることもあり、月の初めに開催。いつもは学年ごとに分かれての授業を行い、その後は全学年を一斉に集めて日本の季節行事などに関連するレクリエーションの時間にあてている。
今月期に限っては、同会の保護者の尽力により、アメリカのブリンストン日本語学校にて、継承語を研究、実践されている小野桂子先生を迎え、保護者との座談会が企画された。

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継承語教育」とは、初めて耳にする言葉だった。

まずは、「継承語」とは何か。母語、継承語、現地語とは?という話から始まり、その教育的意義、継承語を学ぶ環境、その際のルール、そして私たち母親の対応法等々、様々な話題に触れながらその意味を知ることとなった。実際の実践における内容と、バイリンガル(またはそれ以上)の子供の教育を研究している学者の研究結果などを交えた裏付けのある内容に、思い当たること、そしてそうしたいと願っているが現実は…と、参加した母親たちが各人、頭のなかで様々なことを感じたことはいうまでもない。

日常に子供たちへ継承語を伝えていくうえで小さな積み重ねを続けていかなければならないことの重要さ、そして子供たちが単に言葉を覚える、という単純な意味以上のものがあることを短時間のなかでも十分に感じることができた。
母親が日本人だから、ということだけで日本語を習得できるのか、というと完全にノー。それの難しさは今自分達が十分に体験真っ只中。

小野先生が何度も繰り返し、強調し、そして私達も共感、いや、再認識したのは、子供に日本語を話してもらいたい、との思いやそれに準じる日本語の環境作りや日本語の勉強は、完全に親のエゴだということ。親が日本語を覚えてもらいたいと思っているから…。いやー、その通りだ。

そして、それだけではもちろん終わらない。大切なのは、それを踏まえた母親が、常に自信を持って話しかけ、行動すること。
ハッとした瞬間。


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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. 子供
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25歳の私の息子は「なぜ、日本語を教えてくれなかったの」と言い、何も知らない人は「息子さん、日本語できるんでしょう」と尋ねてきます。息子の小さい頃は日本語を教えようと私なりに努力をしたのですが、結局は身についたのは「耳」だけです。悔いるのは、もっと一緒に遊んでやりたかったということ。皆様がお子様との時間を大切にされ、日本語を学びやすい環境を作られますことを応援します。
  1. 2019/06/12(Wed) 15:44:28 |
  2. URL |
  3. 笹尾真由美 #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

笹尾様
コメントありがとうございます。コメントくださった状況、まさしく私の耳にも痛い感じです。忙しさにかまけて、毎日をやり過ごしてしまっている自分に日頃から反省しつつ、実行するのがなかなか…読み書きは本当に「勉強」しないと身につかないとはわかっていながら。
息子さんは25歳の現在に、もっと身についていたかった、と思われていらっしゃるんですね…
  1. 2019/06/15(Sat) 12:53:04 |
  2. URL |
  3. aki #-
  4. [ 編集 ]

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