パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



パネットーネとリエーヴィト・マードレ(天然生酵母) :: 2016/12/08(Thu)

イタリアのナターレといえば、パネットーネ。毎年なんだか幾つものパネットーネを食べる機会に有難くも恵まれるため、この時期の体重増加は、ほんとに悩みのタネ。でも、これは私だけの問題ではなくて、世間一般的にそういう流れ…だから仕方がない…のかな(?!)

さてさて、いつもお世話になっている、マンマの主宰する料理サロンにて、スーパー菓子職人のパネットーネレッスンに参加した。

講師はアルマンド・パルミエーリ(Armando Palmieri)氏。ナポリ出身の方なのだが、イタリア国内をもの超精力的に凄い勢いで移動しながら、あちこちで菓子のレッスンやら企業のコンサルティング業務などをこなしている。

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昨今、パネットーネはイタリア菓子のなかでも注目株。一年中パネットーネ運動なるものもあり、年間を通じてパネットーネに注目を惹こうとする活動も。
パネットーネの美味しいランキングなども毎年発表されて、イタリア各地の美味しいパネットーネはどこのお菓子屋さんのものか?などと話題になるものだ。

ナターレはお菓子屋さんの一年のなかでも一番ともいえる大切な商材。年末の2-3ヶ月で一年間分の収益をあげる、とも言われているくらいだ。だから、パネットーネ商戦は菓子店及びメーカーにとっても非常に重要なもの、ともいえるもの。

そしてパネットーネは、言わずと知れた長時間に渡る発酵を利用した菓子。近頃の流行りでもある、リエヴィト・マードレ(天然生酵母)がここ一番で活躍する対象でもある。

各店舗では、それぞれに何10年も持ち続けている酵母があり、それを大切にしてパネットーネのオリジナル性を出していく、というわけだ。

で、今回のレッスンは、もちろんその、リエヴィト・マードレについての説明から。微生物学的な要素をまずは知る必要がある。酵母はどのように生地のなかで活動するのか、どんな活動が私たちの見えないミクロの世界で進んでいるのか。そして、どうしてここでこの香りが、この味ができあがっていくのか…全てに理由があり、それを丁寧に理解していくことで、酵母をうまく使いじょなしていくためのポイントともなり得る。

そんなこんなでパネットーネのベースとなる第一次発酵の生地が完了。スタート時よりも3倍ほどに膨らむ。

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生酵母は、とにかく毎日のお手入れが重要。子供を育てるように、毎日愛情をもって接してあげる。酵母が死んでしまわないように、元気で活動ができるように毎日、粉と水を足しながら扱う必要あり。

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これがお手入れをしたもののお手本。

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パネットーネの工程には、酵母を使用した発酵が2回に分けて行われる。時間と手間がかかるお菓子なのだ。とはいえ、アルマンド氏いわく、工程は非常にシンプル。ただ酵母をうまく生かしてあげて、いかに発酵をスムーズに進めてあげるか。

最近のパネットーネブーム(と呼ぼう)に際し、そのレヴォリューション型としては、この2回の発酵を2回では飽き足らず、3回もの発酵時間を設けるものなどもあるのだとか。

確かにそれもそうだ。パネットーネのバリエーションといっても、中に入る具材(フルーツの砂糖漬け、干しブドウなど)を変えるとか、バターをよりよいものに、他の油を使う、粉を最高級のものに、最近流行りのベーガン仕様に…とかいうものに至る。
至るとはいえ、それ以上にはならずに、どんなに高価格の選別された材料を使っても、発酵がうまくいかなかったものは、それらも全て台無しになってしまうことも。

そこで、生地により手間をかける、という意味においても、この時間のかかる発酵をさらに一工程増やし、”特別な”生地をつくりあげていく必要がある、ということに行き着くわけだ。

今回のレッスンは家庭でできる範囲でのパネットーネ。だからマシンも家庭サイズ。だからなおのこと、私みたいなのには、工程の流れとその意味するところがつかみやすくて、とても参考になった。

一次発酵の生地が発酵がうまく進み(アルマンドが前日準備したものを持参してきてくれた)、これに、バターや砂糖、卵、ピール、干しブドウなどを混ぜ込んでできあがった生地がこれ。

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表面に薄くバターで皮膜ができたような見た目にも滑らかなとても良い状態だ。

生地を丁寧にいじめないようにしながら均等に切り分けて…

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形を整え、型に入れていく。

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今度は2次発酵。5時間ほどかけていく。

半分以下の高さの生地が、型の縁近くまで上がってきたら、いよいよオーブンへ。

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約1時間後に焼きあがり。

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専用の棒にさして逆さにして冷ます。

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本来は数日落ち着かせてからいただくのが一番美味しいのだが、もちろんそんなのは待てずに、半分に割ってみた。

発酵が非常にうまくいった完璧な生地‼︎

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さすがです。
小さなミニ・パネットーネには、上にかけるグラッサをのせて、ちょっと変化球を。

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ほぼ丸一日を費やす長いレッスン。とはいえ、講師のアルマンドの話がさすがナポレターノらしく、いいポイントで笑わせてくれて、それも最高に楽しい。なんだか数ヶ月前に比べて、一回りサイズが大きくなった気がするのは、試作の余念のなさ、かな。

発酵菓子にちなんで、他にも紹介してくれたのは、トルチェッティ。これも発酵の力で見た目のシンプルさよりも驚くほど口当たりがさっくりで美味しい。

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そして、チョコレートのリキュール。これは瓶をお持ち帰りして、1週間以上休ませてからいただくもの。

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長いけれど勉強になった1日でした。





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栗の収穫祭 フェスタ・デイ・マローニ/Festa dei Marroni a COMBAI :: 2016/10/11(Tue)

またこの季節がやってきた。すっかり秋らしく、冬の足音が聞こえてくるこの時期は、栗の美味しい季節。
トレヴィーゾ県のコンバーイ(Combai)という、プロセッコの里に隣接した山の地域では、産地呼称であるI.G.P.を冠する栗の産地としても有名。

その地で毎年10月初旬には、収穫祭が開かれる。ここにたどり着くまでには、プロセッコのぶどう畑のなかをズンズンと登っていく。素晴らしく美しい風景のなかを進み、到着。

街に近づくにつれて人も車も多くなり、会場から少し離れたところに車を止めるように交通整理のおじさんに誘導されて、徒歩で街の中心へ。

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栗の会場へ直行。
会場は溢れかえるほどの人が、手を真っ黒にしながら栗を食べる、食べる。

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大きな仮説テントの入り口にある食券販売所。そこにも待機組の人たちの長蛇の列。
私たちも列に並び、焼き栗と、焼き栗にはまずはずせないトルボリーノ(torbolino)を。

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トルボリーノとは、この時期に飲むワインの前身。収穫して間もないぶどうの果汁は、発酵過程を経てアルコールへと変わっていくが、その発酵がまだ完全になされていないこともあり、糖が残りアルコール度数が低い。栗の収穫時期には、ちょうどこの段階のコレが季節的にも、そして」焼き栗に非常に合うことから、焼き栗とトルボリーノとはきってもきれない関係。

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ぶどうの果汁であるがため、この会場では、あえて”モスト”と呼んでいる。

会場では、テントの端にこれも恒例の大きな鍋で焼き栗製造中。

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できあがったものは、カウンターの後ろに構える、自動袋詰め機に運ばれ、各袋に同量ずつの栗が投入されたものを、食券と交換で手渡される。

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ここは地元の子供たちも仕事を担当する。

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会場外では、生栗の販売も。

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小さな小さな山あいの街の大イベントだから、迎える人も訪れる人も喜びを一緒に分かち合う。この季節とこの季節だからこその味覚を皆で大いに楽しむ、そんなイベント。

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街のあちこちに仕掛けられたスパヴェンティ・パッシ(かかし)。いつもながら妙にリアル…








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パドヴァ大学にて。科学者の夕べ La Notte Europea dei Ricercatori :: 2016/10/04(Tue)

先日、パドヴァ大学の最も歴史的キャンパスであるパラッツォ・ボー(Palazzo Bò)にて、「科学者の夕べ (La notte europea dei ricercatori)」が開催された。
これは、2005年より、ヨーロッパ各地の関係施設において毎年9月第四金曜日に設定されている催しで、科学者と市民が集うという目的のイベントとして開催されている。

今年は9月30日の夕方より、同企画が催され、大学の敷地内にたくさんのテントが張られ、関係者による様々な研究の一端がお披露目された。

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関係者とは、パドヴァ大学はもちろん、ヴェネツィアの大学(カ・フォスカリ、IUAV)、ヴェローナ大学や物理学研究の施設、パドヴァの天文学研究所等々、周辺の関係団体が参加している。
イベントは、主に子供向けの体験学習(ラボラトーリオ)や、各種ワークショップ、コンサート等々が企画されている。

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たまたま夕方に子供とそのお友達を連れて通りかかって、昨年もそういえばこの会を訪れたことを思い出し、敷地内へ。

まずは受付に行って、パスポートをもらう。いくつかのブースを回るごとにスタンプを押してもらい、規定の数に達したら帰りにディプローマ(修了証)がもらえるシステム。なので、子供たちは張り切ってがんばる。

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ヨット製作をしている学生たちのグループは、浮力や風力の関係を小さな模型を使って説明。

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寄生虫学の研究団体のブース。ビンの中になにやら怪しげな寄生虫が並べられ、子供立ちの興味に従い丁寧に説明をしてくれる。

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ここは、獣医学の研究団体。犬のエコグラフィをとる体験を見せてくれる。

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電気のおこし方、仕組みを簡単な装置をつかって説明してくれるおにいさん。

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ほかにもいろいろ、いろいろと小さな科学者たちの興味はつきることなく…どこのブースも大盛況。

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こんな素敵なイベントも参加費無料。夜の楽しい数時間を過ごさせていただいた。ありがとう!

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イタリア中部地震 :: 2016/09/03(Sat)

8月23日から24日にかけた午前3時40分ごろに起こった、イタリア中部地方の大地震。多くの…とても多くの被害者を出し、連日の救出作業、そして犠牲者の葬儀…。テレビをつけると災害地の悲壮な映像が映し出されていたたまれない気持ちが続く今日この頃。

天災・自然災害でありながらも、もともと地震発生区域であった同地域において、災害対策を全く施していない実情、および対策をしていたはずの欠陥工事が浮き彫りになる…など、多くの大きな問題を改めて知らされるきっかけにもなった大惨事だ。

そんななか、地震発生後、支援の方策も様々な方面から提案もされている。

携帯からの自動義援金、および固定電話からの義援金の方法、Dipartimento protezione civileのページ

http://www.protezionecivile.gov.it/jcms/it/donazioni_denaro_sisma_2016.wp

イタリア赤十字からの支援先

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私の地元でも救援物資の持ち込み先の公開が災害発生直後より始まっている。

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そして、ブロガーであるパオロ・カンパーナ氏による、アマトリチャーナを注文することによる、一部料金の支援提案。
これは、もう周知のごとく、最も被害の大きかったアマトリーチェ村が、有名なパスタ料理であるアマトリーチェの発祥の地として知られていることから。

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これらの支援はイタリア国有放送のなかでも即時に国民に伝えられてきた。

日本でもこの動きを受け、フィレンツェ在住のジャーナリストである池田氏の提案により、アマトリチャーナの運動が非常に活発化しているとも。
現在、この動きに賛同している日本国内のイタリア料理店は現在180軒弱にまで到達しているという。

FBページにて、随時報告があるので、ぜひこちらを。

イタリア中部地震支援情報〜アマトリチャーナの故郷を救え

このページから、日本赤十字を通じての支援なども知ることができます。

とにかくも、被災者の1日も早い日常の復帰と、無念にも犠牲となった多くの方々のご冥福をお祈りしたい、と強く思います。

そして、私個人も少しでも支援の一部ができればと、できることは確実に成していければ、と思っています。スーパーの買い物時などの日常にも、小さな支援方法が提案されている。

先日、訪れたヴェローナの野外オペラにて。開演前に一分間の黙祷を捧げました。失ってしまったものは大きすぎて、実際に被害にあった方々の思いを全て共有することは無理だろう。
それでも、少しでも力の一端になりたい、そしてそれが自分は知らなくても、どこかで形になってくれることを強く願うのみ。

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ヴェネツィアで結婚式 :: 2016/04/25(Mon)

全くの畑違いながら、ご縁あり、ヴェネツィアでの結婚式のお手伝いをさせていただいた。

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カトリック信者の新郎新婦のご家族ということにて、ヴェネツィアではレデントーレ教会での結婚式。

イタリアの結婚式は、教会婚と役所婚という形式があり、どちらかを選んでの式をする必要がある。今回は新婦さんご家族がカトリック教徒としうことで、いわゆるホンモノの結婚式だ。
(ちなみに私は役所婚です)

たくさんの書類を事前に揃えてこの日を迎えるのだが、結婚式数日前にヴェネツィア入りした新郎新婦とともに市役所にての書類作成、教会の神父様との打ち合わせ、そして前日のリハーサル、昼食会場の準備、衣装合わせ、ヘアメイク打ち合わせ等々とやるべきことは山ほどあったが、どうにか当日を迎えた。

幸いなことに素晴らしいお天気に恵まれ、また非常に親しみ感たっぷりな神父様のおかげで和やかで温かい式となった。そしてヴェネツィア人にとっても特別な教会、レデントーレという大舞台がそこに華を添える。
両家ご家族、そしてご友人などにとっても、特別に素敵な思い出になったでしょう。

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ヴェネツィアでのお式ということもあり、ヴェネツィアならではの水上を使っての移動、そしてゴンドラ、サンマルコの美しい湾を一望できるテラスレストランでの昼食会…このヴェネツィアという土地とそしてお天気、さらには何よりも温かく祝福する周囲の方々の力も加わった素敵な1日。

美しい花嫁さんと素敵な新旦那様に、心からの祝福と、これから始まる末長く永遠の幸せが続くことを心から願う。

そして、こんな平和で穏やかな日を迎えられることに感謝。ひとつの幸せと有り難く受けとめ、全てに感謝の意を。

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