パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



チーズの会『ONAF(オナフ)』の年末決起集会 :: 2016/12/18(Sun)

私の所属している、チーズ鑑定士協会『ONAF(オナフ)』という会がある。イタリア各地に支部を持つ、チーズの専門家とそれに続くチーズの鑑定士の資格を有する人たちとで構成されている。
私はこの会のヴェネツィア、トラヴィーゾ、パドヴァに所属していて、不定期ではあるが、彼らが企画・主催するチーズをテーマにした活動に参加している。

この日は、ヴェネツィア支部の責任者である、マウリツィオ氏による企画。同じくメンバーである養牛農家の大きなお宅にて、暖炉を囲んでの会にしよう、とのこと。

このマウリツィオ氏、チーズに関しては非常に見識が深くて、彼の話はいつも興味深いし、彼のチョイスはいつも的確なので、大変に信頼している人物だ。

この日に集まったメンバーは約20名ほど。会場を提供してくれたお宅には、200頭ほどの乳牛がいて、チーズは作っていないものの、チーズを作る工場に乳を卸している。
大きなお宅の台所の一角、というか中心には暖炉があって、この日のテーマは暖炉を囲んでシウピエードを食べよう、というもの(とは書いてなかったが)。

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スピエードとは、串焼きの肉のことで、この地域では非常に親しまれているもの。人が集まると、スピエードという感じ。使う肉はなんでもよい。

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午後イチから準備を始めた、というこの日のスピエードは仔豚。到着したら、もういい感じのこげ色でゆっくりゆっくり回っていた。ゆっくりと何時間もかけて火を通していくことで、滋味深く、仕上がる。

そのほか、ここには金網の上でサルシッチャ、ラディッキオ、そしてポレンタなどが焼かれる。燃やしている木はぶどうの木を使うが、火力の持ちがよいのだとか。

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そして、マウリツィオ氏が持参してくれたチーズの味見会。

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まずは、名前を知らされずに試食。お互いに話すうちにだんだんと答えに近ずいてくる。

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1はラッテリア。新鮮、フレッシュ。2と3はモルラッコ。2は1ヶ月半熟成、3は18ヶ月熟成のもの。材料は一緒だが、全てが全く異なるもののように感じるのが面白い。

そしてこちらは、栗の皮で包んで熟成したもの、ぶどうの実や葉で包んで熟成したもの、ペコリーノやプロヴォローネの9ヶ月熟成もの。

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チーズの選択はさすがのマウリツィオ。

台所の横の大きな部屋に、着席できるテーブルも用意してくれてあり、そこでもしばらく食事をしながらも、なんだか気がつくと皆が暖炉の前に集まっている…

終盤になって、ドルチェの時間。季節柄なので、パネットーネとヴェネツィア風フォカッチャ。どちらもメンバーの手作りにて、本当に美味しかった。

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来年の会の活動予定などの発表を聞きながら、また来年もチーズな年になりますように、と素敵な一夜も終了。

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フリウリの、フリウリらしき温かい料理 『サーレ・エ・ペーぺ(Sale e Pepe)』 :: 2016/12/17(Sat)

お世話になっている、オーガニックワインの生産者、Venchiarezza (ヴェンキアレッツァ)の若き醸造家ルカにお昼に誘われ、連れていってもらったお店が、ここ。

土地の料理をすごく生かしてそれでいて田舎臭くない…(とは言っていないが)、とお勧めだから是非行こうよ、とお誘いを受けた。
はい、もちろんお供させていただきます…。

彼のカンティーナから少し山側にあがった静かな坂道に目指す店。店構えがとってもいい感じ。

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看板がとっても可愛い。

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店内の写真を一枚も撮っていなかったけれど、とても温かな感じのお店。そのままキッチンに案内されて皆さんに挨拶して席に着く。

ここの料理は “cucina di territorio (クチーナ・ディ・テッリトーリオ)”がコンセプト。つまりは、土地の恵みを生かした土地のお料理。土地で採れたものを生かして、少しだけ現代風にアレンジされた郷土料理を再現する。彼らが手をかけている畑でとれた野菜を使用していることは、もちろんのこと。

イタリアではここのところよく耳にする “kirometro zero (キローメートロ・ゼーロ) “を実際に実践している。この意味するところは、生産物を確かな場所(人)から、そしてその土地のものを利用する、という意味を含む。

お料理は口頭で説明され、一番初めに出てきた皿が、パンのスープ。名前忘れてしまった。
残りのパンを利用した、この土地のポーヴェロ料理。豚のラルドの風味が効いている。

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アンティパストに選んだのは、アリンゲ(ニシンの塩漬け)を加えたサラダ。ヴェネトやフリウリでは、バッカラと並び、保存のための魚として非常に馴染みの素材だ。

そして、フリウリ特有ともいえるだろう。甘いフルーツを使用した一品。これは、スジーナ(プルーンの一種)やリンゴなどを加えたスープ。食べてみたらザラザラとした粉末状が、これはポレンタを入れてスープ全体にもったり感を出したもの。
食べた感想は「食べるピンツァ」。いわゆる、ポレンタに乾燥フルーツを入れて焼き上げた、ここらへんのドルチェ。これにはルカも同感。

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セコンドは、ウズラと栗のチョコレートソース。チョコレートソースに興味があり、頼んでみたが、チョコラート・フォンデンテをベースにした少し濃厚なソース。ウズラと栗との相性ぴったり。

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それぞれに合うワインには、地元のリボッラ・ジャッラとレフォスコを。

平日なのに、常連さんの家族連れや、外国人などでいい感じの客入り。

食事後に少し街の散策を…とチヴィダーレの街を案内してもらう。小さな小さな山あいの街は、ユネスコの世界遺産に指定されている。

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街の入り口の橋からは、素敵な水辺の景色。水が驚くほど透明で、びっくり。ルカ曰く、もっともっと水の綺麗なとっておきの場所があるのだとか。幼いときから夏場の子供達の川水浴場になっていた場所らしい。

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街の頂上に位置する礼拝堂からの眺め。この日は気温が低くて一面霧にて、遠くが見えなかったが、天気のよい日には、彼の住む場所から向こう〜の山までがくっきりと見えるのそうだ。

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穏やかなのに、しかも純粋なパッションはこんなところで生まれるんだなぁ…としみじみと考えた一日だった。

ありがとう。


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ブドウの樹の冬支度 :: 2016/12/11(Sun)

今年の夏頃に偶然に訪れた、フリウリのカンティーナ『Venchiarezza (ヴェンキアレッツァ)』。

その時に試飲させていただいたワインの印象と、それを作る若い醸造家、ルカ・カポララーレ (Luca Caporale) 氏の情熱と人柄がとても印象深くて、その後も何度か連絡を交わしていた。

ひょっこりと時間が空いた1日を、久しぶりにカンティーナを訪れることにした。
朝晩が急激に気温の下がるこの季節特有の、辺り一面霧で真っ白な高速道路を飛ばして約180km北上。

目的地は同カンティーナのある、チヴィダーレ・デル・フリウーリ。

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着いた頃はすっきりとした快晴。畑では、冬支度中の作業が進んでいた。

夏の終わりから秋にかけてのヴェンデンミア(ブドウの収穫)を過ぎ、仕込みが済んでカンティーナ内に静けさが戻った頃に行われる作業。

来年の生育に必要な新芽を残すようにしながら、元気に伸びた枝を適度なところで切り落とす。

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余計な栄養を他に分散させることのないようにするための、大切な作業。こうすることで冬の寒さをじっと待ち、春の芽吹きの時期になるまでじっと大地の栄養をゆっくりと吸収させて強い樹にする目的がある。

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こうして四季の気候の変化にナチュラルに従うことが、病気にも負けない強くて健康な樹を作り上げていくことに繋がる。

剪定(ポタトゥーラ)は、経験値がモノを言う、というほどに、左右に大きく伸びた枝をバッサバッサとすごい勢いで次々と切り落としていくのだが、来年伸ばすべき枝を即座に見極め、そして芽を残す。

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こうして年が明け、春の空気を感じてきたな…という時期となると、再度、その年に成長をさせる新芽を整理しながら、枝を樹と垂直に、大地とは平行に張られた針金に沿わせるようにくくりつけていく。

これが、いわゆる”グイヨー方式”。生育の方法は何種類があるが、それは生産者が土地と品種をみて、それに適した方式を採用する。

ちなみにグイヨーのなかでも、枝を一方にだけのばす”シングル方式”と2本の枝を左右対称になるようにのばす”ダブル方式”、さらには、その枝をアーチを模るようにするものもある。

これは、その形から”カップチーノ方式”。司祭のかぶる丸い帽子をイメージさせることから。

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カンティーナは小さな田舎町…なんて言っちゃいけないが、土地に長く根付いたものであり、基本的にはルカ氏が一人で切り盛りしているのだが、忙しい時期などは、近所の農家の人たちが率先的に手伝いにきてくれるのだとか。お互いに手を貸し合い、お互いの持つ機械なども共有しながら運営が行われている。

この日も助っ人・ダヴィデ氏が黙々と作業を続けていた。

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カンティーナの中に入ると、今年のヴェンデンミアのもmのがタンクに眠っている。
今年の赤は特に非常にいいものができるとか。

今の状態のものもタンクから直接飲んでみる。それぞれのブドウの性格が手に取るように解る、貴重な体験。

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ちなみに、ラインナップとしては、
白は ピノー・グリジョ、シャルドネ、トカイ・フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ソーヴィニオン。
赤は レフォスコ、スキオッペッティーノ、カベルネ、メルロー。

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ここに定期的に弟子入りすることを心に決めて、また霧のなかを(おまけに真っ暗)家路に着いた。








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アジアーゴのとっておきレストラン『La Tana (ラ・ターナ)』 :: 2016/12/09(Fri)

ヴェネト州のヴィツェンツァ県にあるアジアーゴ。アジアーゴ高原として、標高約1000m(平均)に位置し、アルトアディジェに隣接する土地。自然の広がる雄大な高原の風景が広がるこの地は、冬はスキー、夏は避暑地としてハイキングやサイクリングなど、リゾート地として知られている場所。

私の住むパドヴァからは高速道路を使えば、1時間ちょっとでアジアーゴの中心地まで到着することもあり、年間を通して個人的にも率先して出かけていく場所でもある。そして、何より、この土地のチーズ、『アジアーゴ』の本場でもあることから、好みのチーズ製造所の直売所などに、新鮮で美味しいチーズを買うためだけに、ドライブがてらに出かけることもある。

ここで、昨年よりミシュランの星を一つ獲得した評判の店があるとのことで、ある休日のお天気の良いランチをとるために出かけた。

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アジアーゴらしい風景…なだらかな緑の草原が丘となって連なる中腹にたつ赤い建物。その名も『カーザ・ロッソ(赤い家)』。この名で通称され、親しまれている建物の一角が目指す店。

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『ラ・ターナ(La Tana)』

入り口は写真で見える、正面(正面はバール、オステリアになっている)ではなくて、その横に続く隠されたようにあるドア。店に入るには、呼び鈴を押して中から開けてもらうシステム。中に入るガラスで覆われた店は、屋外の風景が一望できて、ぬけるような空間。

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明るい木目を基調とした、清潔感ある素敵な空間だ。

メニューがサービスされて、どれにしようか、と吟味する。メニューには、大きく分けて2種類あり、地元の伝統料理をベースにした”テッリトーリオ(Territorio)” と、シェフのアイデアなどを存分に盛り込んだ“プロジェット(Progetto)”とに分かれている。

まずは、お通し。

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酸味や甘み、旨み、そして食感の違いなどをいろいろな法でまとめた前菜。
店の周囲で採れる野草を煮出したお茶のようなものが添えられる。

そして、メニュー内、どれもこれもが興味深く、どれにしようか、と選んだのが…

リー・ド・ボーのローストに、テーブルにてチーズの製造時に出るホエーをさっとかける。優しい酸味が全体を引き締める。そしてその上にはさっくりと揚げたカーヴォロ・リッチを添えたもの。
味も食感もバランス非常によし。

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リコッタの入ったフワッフワのニョッキ。ほうれん草を混ぜ込んで、セージの香りをつけたバターをかけ、ストラヴェッキオ(長期熟成の)アジアーゴを添えて。

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こちらは、塩を効かせたメルルーサと柔らかく煮たトリッパの意外な組み合わせ。ジャガイモのピュレと野草のソース、トロペーアの赤タマネギの甘酸っぱいマリネを添えて…

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皿の上で表現される野菜たちも、店の畑で採れたものをふんだんに使うところも面白い。

デザートには、全粒のポレンタを牛乳とハチミツで炊き上げた、生温かいものの下に薄く焼いたポレンタのカリカリと、冷たくて甘いバニラのジェラートが隠されている。

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その名も『La mosa-Latte (ラ・モーザ・ラッテ)』。

見た目はシンプルだが、口の中でいろいろなものがミックスする美味しい驚き。とはいえ、ヴェネトの子供達は、おやつにこんな甘いポレンタを食べることを彷彿させる、いわゆる馴染みメニューの改訂版。
プレゼンテーションも、素朴な器で。面白い名前がついていたけれど、忘れてしまった…

そういえば、口直しにこんなものも。パッションフルーツのジェラートに、人参の皮ごとコンフィ。カルダモンの葉のピュレを添えてあるが、人参の上は、なんと味噌ソース。

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仕上げのミニ・ドルチェにも余念なく、お腹いっぱいなのに、見事に完食。

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メニューには、皿数にて何種類かに分かれるコースメニューの"メニュー・デグスタツィオーネ"もあり、その場合には、ソムリエおすすめの各料理とそれに合うワインの組み合わせを楽しむこともできる。これは非常にお得と思う。

そうそう、ワインの種類も数多く、料理とワインの美味しいおすすめを聞くのもまた楽しい。

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とってもいい店です。

牛さん達も寒さのなか、栄養補給中。この時の気温、約1℃。

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お疲れ様です。




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パネットーネとリエーヴィト・マードレ(天然生酵母) :: 2016/12/08(Thu)

イタリアのナターレといえば、パネットーネ。毎年なんだか幾つものパネットーネを食べる機会に有難くも恵まれるため、この時期の体重増加は、ほんとに悩みのタネ。でも、これは私だけの問題ではなくて、世間一般的にそういう流れ…だから仕方がない…のかな(?!)

さてさて、いつもお世話になっている、マンマの主宰する料理サロンにて、スーパー菓子職人のパネットーネレッスンに参加した。

講師はアルマンド・パルミエーリ(Armando Palmieri)氏。ナポリ出身の方なのだが、イタリア国内をもの超精力的に凄い勢いで移動しながら、あちこちで菓子のレッスンやら企業のコンサルティング業務などをこなしている。

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昨今、パネットーネはイタリア菓子のなかでも注目株。一年中パネットーネ運動なるものもあり、年間を通じてパネットーネに注目を惹こうとする活動も。
パネットーネの美味しいランキングなども毎年発表されて、イタリア各地の美味しいパネットーネはどこのお菓子屋さんのものか?などと話題になるものだ。

ナターレはお菓子屋さんの一年のなかでも一番ともいえる大切な商材。年末の2-3ヶ月で一年間分の収益をあげる、とも言われているくらいだ。だから、パネットーネ商戦は菓子店及びメーカーにとっても非常に重要なもの、ともいえるもの。

そしてパネットーネは、言わずと知れた長時間に渡る発酵を利用した菓子。近頃の流行りでもある、リエヴィト・マードレ(天然生酵母)がここ一番で活躍する対象でもある。

各店舗では、それぞれに何10年も持ち続けている酵母があり、それを大切にしてパネットーネのオリジナル性を出していく、というわけだ。

で、今回のレッスンは、もちろんその、リエヴィト・マードレについての説明から。微生物学的な要素をまずは知る必要がある。酵母はどのように生地のなかで活動するのか、どんな活動が私たちの見えないミクロの世界で進んでいるのか。そして、どうしてここでこの香りが、この味ができあがっていくのか…全てに理由があり、それを丁寧に理解していくことで、酵母をうまく使いじょなしていくためのポイントともなり得る。

そんなこんなでパネットーネのベースとなる第一次発酵の生地が完了。スタート時よりも3倍ほどに膨らむ。

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生酵母は、とにかく毎日のお手入れが重要。子供を育てるように、毎日愛情をもって接してあげる。酵母が死んでしまわないように、元気で活動ができるように毎日、粉と水を足しながら扱う必要あり。

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これがお手入れをしたもののお手本。

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パネットーネの工程には、酵母を使用した発酵が2回に分けて行われる。時間と手間がかかるお菓子なのだ。とはいえ、アルマンド氏いわく、工程は非常にシンプル。ただ酵母をうまく生かしてあげて、いかに発酵をスムーズに進めてあげるか。

最近のパネットーネブーム(と呼ぼう)に際し、そのレヴォリューション型としては、この2回の発酵を2回では飽き足らず、3回もの発酵時間を設けるものなどもあるのだとか。

確かにそれもそうだ。パネットーネのバリエーションといっても、中に入る具材(フルーツの砂糖漬け、干しブドウなど)を変えるとか、バターをよりよいものに、他の油を使う、粉を最高級のものに、最近流行りのベーガン仕様に…とかいうものに至る。
至るとはいえ、それ以上にはならずに、どんなに高価格の選別された材料を使っても、発酵がうまくいかなかったものは、それらも全て台無しになってしまうことも。

そこで、生地により手間をかける、という意味においても、この時間のかかる発酵をさらに一工程増やし、”特別な”生地をつくりあげていく必要がある、ということに行き着くわけだ。

今回のレッスンは家庭でできる範囲でのパネットーネ。だからマシンも家庭サイズ。だからなおのこと、私みたいなのには、工程の流れとその意味するところがつかみやすくて、とても参考になった。

一次発酵の生地が発酵がうまく進み(アルマンドが前日準備したものを持参してきてくれた)、これに、バターや砂糖、卵、ピール、干しブドウなどを混ぜ込んでできあがった生地がこれ。

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表面に薄くバターで皮膜ができたような見た目にも滑らかなとても良い状態だ。

生地を丁寧にいじめないようにしながら均等に切り分けて…

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形を整え、型に入れていく。

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今度は2次発酵。5時間ほどかけていく。

半分以下の高さの生地が、型の縁近くまで上がってきたら、いよいよオーブンへ。

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約1時間後に焼きあがり。

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専用の棒にさして逆さにして冷ます。

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本来は数日落ち着かせてからいただくのが一番美味しいのだが、もちろんそんなのは待てずに、半分に割ってみた。

発酵が非常にうまくいった完璧な生地‼︎

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さすがです。
小さなミニ・パネットーネには、上にかけるグラッサをのせて、ちょっと変化球を。

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ほぼ丸一日を費やす長いレッスン。とはいえ、講師のアルマンドの話がさすがナポレターノらしく、いいポイントで笑わせてくれて、それも最高に楽しい。なんだか数ヶ月前に比べて、一回りサイズが大きくなった気がするのは、試作の余念のなさ、かな。

発酵菓子にちなんで、他にも紹介してくれたのは、トルチェッティ。これも発酵の力で見た目のシンプルさよりも驚くほど口当たりがさっくりで美味しい。

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そして、チョコレートのリキュール。これは瓶をお持ち帰りして、1週間以上休ませてからいただくもの。

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長いけれど勉強になった1日でした。





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切り売りピッツァ”ピッツァ・タリオ” BONCI(ボンチ)@Roma :: 2016/12/07(Wed)

昨今のイタリア・ピッツァ事情は動きが非常にあって、注目分野でもある。ピッツァはローマ式?それともナポリ式?という、好みの2分化に合わせて少々異なる視点で新たなピッツァ分野を広げているものが、通称「ピッツァ・タリオ(切り売りピッツァ)」と呼ばれるピッツァ。

文字の通り、店頭で切り売りするピッツァなのだが、ひと昔前(もちろん現在もその多くだが)の安い立ち食いピッツァというイメージからかけ離れるもの。

私の住むヴェネトには、その分野のピッツァにおいて、非常に著名な料理人(あえて、ピッツァ職人とは呼ばない)が点在している。そこでは素材や原料、発酵、そしてそれを食する空間を提案し、人気を博し、今やあちらこちらの取材やイベントなどでもひっぱりだこ。

そんな分野のなかに君臨する一店が、ここ、ローマのガブリエレ・ボンチ(Gabriele Bonci)の『Pizzarium(ピッツァリウム)』。

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店は着席する場所はない。店頭に並ぶピッツァを注文し、紙製の皿に乗せられたそれを、店頭のテーブルで立ち食い、または持ち帰るシステム。

彼のこだわりとは、ピッツァはピッツァにして、ピッツァではならず。ピッツァを単なるピッツァとして見ずに、ひとつの料理とみなす。

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だから、使う粉、酵母、そしてトッピング要素に関するすべての材料は、生産者の顔を知っているもの。ナチュラルさを売り物にした、切り売りピッツァなのだ。

その日のメニューは店内の黒板に。

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試してみたのは、フリッジテッラをトッピングしたもので、トマトソースなしにて、生地の旨さがよく解る。

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しっかりとして噛み応えありながらも、中はもっちりとして発酵がうまく進んでいる生地は、粉の風味もいきている。表面はしっかりと」したクロッカンテ。ピッツァというより、フォカッチャという感もある。お腹いっぱいの時に行ってしまって、ソースの乗ったタイプを食べなかったのが、大後悔ではあるけれど…

店内は、使用している粉の販売や、ピッツァにつきもののビールなどもある。ビールはもちろん、小さな生産者のこだわりのクラフトビールが数種並ぶ。

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彼の著書も、もちろん。

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ひとつの観光名所にもなってしまうほどの、人気店。時間によっては、店前にいっぱいの人だかりになることもある。

そんなこともあり、ガラスケースに並ぶピッツァの回転もよく、いつも焼きたての新鮮で美味しいものが食べられるのは、人気店ならではの利点ともなる。

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ピッツァとしては決して手頃な価格帯ではないものだが、一度足を運ぶべし、ピッツァ店。

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PIZZARIUM
Via Tronfale, 30 Rpma
06.39.731454




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豆の展覧会 『レグーミ, ケ・パッシオーネ! (Legumi, che passione!)』 :: 2016/11/29(Tue)

豆…インゲン豆というだけで、世界にどのくらいの種類があるのだろう。なんでも、25年間その土地で育ったものには、その土地の名(もしくは好みの名)を自由につけ、いわゆる一品種となり得るとかいうことで、その種類はもはや数えきれなくなっているのだとか。

そんな豆のミニ展覧会が開かれたのは、ストラ (Strà) という、ヴェネツィア県にある町。

スローフード協会との連携により、約190種に及ぶインゲン豆の展示とその解説がされている。想像よりも、非常に素朴な展示会で、広場の中心に置かれた長テーブルにテーブルクロス、そこに展示される豆類は、ジャムの瓶などを利用して…と、なんだか文化祭っぽいノリ(笑)。

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そして、ヴェネト州を中心とした、伝統的土地の品種を守り続けているインゲン豆の種の紹介と販売などのテントなど。

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そのなかでも個人的に購入もしてみた豆数種。

ファジョーロ・ジャレット (Fagiolo gialèt)。
ヴァル・ベッルーナ (Val Belluna) という、ヴェネト州の北部にてつくられる豆。15世紀ごろよりこの辺りで栽培されていたものらしい。

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小さくて黄色いのが特徴で、皮が非常に薄いので、非常にデリケートな味わい。乾燥豆は、戻すのに最低12時間、火を通すのに最低40分というので、大きさの割には調理に時間がかかるようだ。だけど、そのデリケートな味わいは、なんでも、これをピュレのようにして、その上にさっと火を通したエビなどを載せると、とっても良いのだとか…やってみよう。

そして、こちらはヴェネトを代表するD.O.P.のの産地呼称認定を受けているファジョーリ・ディ・ラモン (Fagioli di Lamon)。つまり、ラモン産インゲン豆。

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ヴェネト州とフリウリ州の境目くらいの54㎢くらいが原産地といわれている。戦後はこの地域の」一大産物として、700軒もの農家がいたとも。地域を支えてきた重要な産物でもある。

この土地の高低差の大きい昼夜の温度差が良質な豆を作る。5月3日のサンタ・クローチェの日が種植えの日、と規定されているのも、土地ならではの伝統を感じるもの。ラモン産のインゲン豆として認められているものには、スパニョレト (Spagnolet)、スパニョール (spagnol)、カローネガ (Calonega)、カナリーノ (Canalino)という4つの品種がある。

もうひとつは、ファジョーロ・ヴェルドン (fagiolo Vredòn)。産地はトレヴィーゾ県の中心から少し北側の地域。薄い緑色をした、なんだか大豆みたいな豆。デリケートな風味とのことにて、茹でてサラダに、ミネストラに…など。

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豆好きな私としては、いろいろと試してみたく、ちょうどミネストラの美味しい季節にもなってきたこともあり、楽しみだ。

…と、屋台をささーっと見ながら歩いていたら、なんだか見覚えのある店構え。パドヴァの広場にいつも出ている顔なじみの乾物屋台だった。

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日曜日までお疲れ様です。Buon lavoro!!!




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製糖工場の町の甘いお祭り『フェスタ・デッラ・ドルチェッツァ』 :: 2016/11/28(Mon)

パドヴァ南側の郊外に、ポンテロンゴという町があり、ここは、イタリア最大規模の砂糖の工場がある。イタリアでは誰もにおなじみのパッケージの砂糖を生産している工場だ。

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ここで町の守護聖人のお祭りにひっかけて、数年前から、この一大生産物も巻き込んだフェスタが開催されるようになった。

田舎町のお祭りだから、もう町中あげての…と言わんばかりに、町の中心地から続く川沿いを、屋台がずらり〜と並んで、町中の人たちは間違いなくこの期間中はここら辺に集結しているのでは?的な感じのする、町の恒例一大行事。

ポンテロンゴという町の名は、ポンテ=橋、ロンゴ(ルンゴ)=長い、という意味があり、この町の真ん中を流れる、バッキリオーネという大きな川にかかる長い橋がこの町の目印だったことから、と言われている。この周辺は川の流れがあちこちに見られる場所で、ヴェネツィア共和国の時代から、川の流れに沿うようにあちこちに様々な産業が栄え、そして川を利用してヴェネツィアへ運んでいた、という歴史がある。

お祭りはいろいろなプログラムがあるのだが…
お祭りテントの中に入ると、着色された砂糖を使った大きなデザインを製作中。

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砂糖の直売所では、いくつかのカゴ詰めされた各種砂糖詰め合わせの販売やら、その横では、綿あめをつくってくれるおばさん。

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子供向けのプログラムには、ピッコリ・パスティチェリ(小さなお菓子屋さん)と題して、ビスコッティの生地をのばして型抜きをさせてくれる。

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甘いお菓子にちなんだ、町のお祭り。素朴な空気の流れる手作り感いっぱいの町のお祭り。
ちょっと遅く出向いてしまって、製糖工場見学など、興味ふかい企画を逃してしまったので、また次の機会に。

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ヴェネトの冬と、ラディッキオ・ディ・トレヴィーゾ :: 2016/11/27(Sun)

ヴェネト州の冬、というと、どこの八百屋でもこの時期山積みになる野菜、ラディッキオ。

ヴェネト州の各地に産地があり、産地ごとに種類が変わる。そのなかでも特に特徴的なのが、トレヴィーゾ産のもの。トレヴィーゾ産のなかでも、早生種のプレコーチェと晩生種のタルディーヴォというものに分かれる。

↓これが、プレコーチュ種。

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↓そして、これがタルディーヴォ種。

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おまけに、こんなものもある。これはヴァリエガート種といって、いわゆる、変形種。トレヴィーゾの隣町、カステルフランコという場所がオリジナル。

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その個性といったら見た目の色の鮮やかさ。白と紫赤色の鮮やかな色のコントラストは、他のどんな野菜とも一線を画するもの。

トレヴィーゾ県周辺には、このラディッキオの農家が4000軒もあるというが、そのなかでも品質を保証するI.G.P.という、原産地呼称認定マークのついたものを生産するのは、4-5%ほど。その認定マークには、品質の確かさ、が保証されている。

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そのため、このマークをつけるためには、厳しく規定された生産方法を一貫して守らなければならない、という義務を背負うものでもある。

だから故、少数の農家の生産するこのラディッキオが認定マークのつかないものと比べたらやや高価ではあるが、見た目からその違いが分かり、もちろん食べてみると更に違いを改めて実感することになる。

ラディッキオの、それも、晩生種のタルディーヴォ種の生産工程は非常に特徴的。

まずは、畑からの収穫。寒い時期の作業だが、ものすごい太い茎との格闘にて、真冬でも汗をかくほどの仕事となる。

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その収穫した株は、それがすぐに出荷できるか、というとそうではない。まずは、これを一度外葉をおおまかに取り除き、一株一株をカセットに詰め、それを水にさらす。この水は、この土地の地下水を常に流しているものに限る。

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そして、日光から遮り、2週間から20日間ほど静置。この間に、水に浸かった根がどんどんと水を吸い上げ、そして、葉の芯の部分は真っ白に、葉の周囲は赤く…と特有の色を有してくる。

それを別の作業場へ移し、今度はさらに外葉を取り除く。この際には思いっきり葉をはがすと、その中心に鮮やかなあの色合いが見えてくる。

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この中心部のみを残し、茎を掃除し、水洗いしてようやく出荷用の箱詰めへ。

こんなに人の手間のかかる野菜など、他にはないだろう。おまけに、畑で成長したものを収穫し、出荷できるのは、一茎のうちの30-40%ほど。
手間と時間をかけてできあがる、貴重な産物だ。

この野菜の食べ方は、一番シンプルで美味しいのが、縦に割ってそのままグリルにしたもの。そして、リゾットやパスタなど。マリネしたり、ラザニアなどにしても美味しいし、フリットにしても。もちろん生でサラダも最高にうまい。

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生でも焼いても、揚げても…とかなりの万能選手だ。

私は数年前に知り合ったこのラディッキオ農家に大変お世話になっていて、足繁くこの作業の場所に通っている。そして、長く想いを持っていたこの野菜の日本への輸出を数年前より行っている。

少しでもたくさんの方に、この野菜の、そして本物の美味しさを味わってほしい、という思いを持ちながら、今年の冬もスタート。

市場に行くと、ラディッキオが冬の景色に華を添えているかのよう。ラディッキオの別名、フィオーレ・ディンヴェルノ(冬の花)とは、うまく言ったものだ、と納得。

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『カフェ・ペドロッキ』の名物コーヒー『カフェ・ペドロッキ』 :: 2016/11/25(Fri)

パドヴァの旧市街地の中心に位置する『Caffè Pedorocchi (カフェ・ペドロッキ) 』。創業は1831年。
イタリアのカフェの歴史は、700〜800年代から広く普及を初め、パドヴァでもちょうどその時期を重ねるように、カフェがオープンしている。当日のカフェの位置付けは、単にブレイクすることが目的というよりも、人が集まり、そこで様々な談義が交わされたもの。

パドヴァのカフェとして特徴的なのは、パドヴァが大学の町であったこと。同カフェの前には、パドヴァ大学(パラッツォ・ボー)がある。現在でこそ、町の中にキャンパスが点在し、複数の学部がそれぞれに存在するのだが、創設当時は、旧市街地の中心地、現在も残るパラッツォ・ボーが歴史的な創設の場所だ。

大学は、多くの見識者、学者たちが集まることで、思想の表現の場であるともいえる。その最たる場でもあるのが、このカフェ・ペドロッキともいえる。

カフェは創設当時から、緑・赤・白のトリコローレの3つの部屋に分かれており、現在でもその姿をそのまま見ることができる。
学生のリソルジメント運動(近代イタリア独立運動)の活動拠点であったこともあり、現在の白の部屋(サーラ・ビアンカ)には、その際の闘争の様子を垣間見ることのできる壁の銃弾の跡なども残る。

カフェの上の階には、リソルジメント博物館として、当時のパドヴァの活発な市民運動の様子が記録されていることでも、パドヴァの歴史の一部として、同カフェの位置付けは重要なもの。

たくさんの歴史を背負う場所ではあるが、市民や観光客、全ての人々に開かれた、オープンな場所であることも、パドヴァのシンボルにもなっている。ゆえに、カフェ・ペドロッキはのキワードとして、よく知られている一節に、 “ Caffè senza porta (カフェ・センツァ・ポルタ=扉のないカフェ) “というのがあり、どんな人も身分や職業、立場の違いなく、全ての人に開かれた場であることを表現されている。

さて、こんなカフェにていただくカフェは、歴史を感じる優雅な空間のなかにて、なかなかオツなものなのだが、同カフェには同名の飲み物が存在する。その名はもちろん『カフェ・ペドロッキ』。

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コーヒーの上に少しホイップされた生クリームを少し、そして、緑色のミントのシロップを少しだけ加えたもの。
注文してしばらくすると運ばれてくるそれには、スプーンがついてこない。

給仕のカメリエーレが必ず付け加える注意事項とは、
・砂糖は加えないこと
・スプーンでかき混ぜないこと→だからスプーンはサービスされない
・最後の泡までしっかりといただくこと
熱くてほろ苦いコーヒーに、冷たくて甘いミント風味が口のなかでクリームと混ざり合う、ちょっと不思議な飲み物。

個人的には、最後に残るクリームが美味しいのに、底に残ってしまうのが残念で、こっそりとカメリエーレにスプーンを持ってきてもらう。

ただし、こういうコーヒーは飲みながら、カップをゆすって最後に泡を残さないように飲むのがよい。スプーンなしにて、正しいコーヒーの飲み方ができるようになったら、正真正銘のパドヴァーナとなる。…のかな。




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